豊後竹田の湧水群と湯布院の「金門坑」

金門坑

豊後竹田の湧水群

 この日の宿泊地湯布院へ向かう途中で、一度はゆっくり時間をかけて見学したいと思っていた、豊後竹田の湧水群に立ち寄りました。竹田湧水群は、大分県の南西部にある巨大な湧水群です。この湧水群の水は古くから地域住民に親しまれ、さまざまな場面で利用されてきました。水質が良いことから飲料用としても問題がなく、地域の名水として知られています。水質や水量が評価され、竹田湧水群の水は環境省が選定する名水百選に選ばれました。

「金門坑」の共有部

 富山県の築270年の合掌造りの家を移築した母屋のフロントで記帳を済ませ、オーナー拘りの品々が点在するロビーで、ウエルカムスイーツとドリンクを頂きました。ほっと一息ついた後母屋の施設や、広い敷地内に点在するレストランや家族風呂などの説明を受けながら、客室に案内していただきました。スタッフは客室内の設備や客室風呂の使い方を、懇切丁寧に説明してくれました。

「金門坑」宿泊棟 テラスハウス「朱」

 この宿には戸建ての離れ7棟とメゾネット形式の2棟8部屋があります。今回宿泊したのは「朱」と名付けられ、イギリスの田舎の建物を模したテラスハウスです。46平米の2階の大部分を占めるリビングは、メープル系のフローリング・純白のクロスと石材のアクセントウオールが見事に調和しています。 お洒落な鉄製の階段を下りた23平米の1階は、雰囲気ががらりと変わり私達を楽しませてくれました。枕元のコンクリート打ちっぱなしの壁とダーク系の床が、落ち着いた寝室らしさを演出しています。部屋風呂は二人が入っても余裕の石風呂です。二面が広いガラス窓になっているので、くぬぎ林越に湯布院の景色を眺めながら湯あみを楽しむ事が出来ます。高温(60℃超)の源泉と水のバルブを開けて自分たちで湯温調節をしますが、満杯まで15分程度かかりますので、早めのお湯張りがお勧めです。

「金門坑」夕食

 夕食はレストラン棟「幻住庵」の完全個室で頂きました。二皿目に供された前菜の季節感いっぱいの盛り付けを目にした途端、これからの晩餐に対する期待感が膨らみました。絶妙なタイミングで供される料理の数々は、地元食材の味を活かすべく、薄味なのに奥深い味付けが施されています。例えば椀物は白身魚を射込んだよもぎ餅に上品な味の餡がかかり、トッピングの針切りされたウドの相性が抜群で、ついつい大好きな日本酒の杯を重ねてしまいました。配膳を担当していただいた女性のスタッフは気さくな方でした。食材や調理法説明は勿論の事、日本酒の知識が豊富で銘柄選びを手伝っていただくなど、お酒好きには嬉しいおもてなしでした。

「金門坑」貸し切り風呂の数々

 宿の敷地の比較的奥まった小高い台地の上の、貸し切り露天風呂「オン・ザ・ヒル」は、由布岳に向かって真っすぐに立った孟宗竹で囲まれています。浴槽は2か所あり、孟宗竹の壁で仕切られています。そのほかに貸し切り家族湯が3か所あり、何れも入口のドアにかかった札が「使用中」でなければ、予約なしで湯あみが楽しめます。源泉かけ流しで由布院では珍しい塩化物泉の美肌効果を、たっぷりと楽しむ事が出来ました。バスアメニティは客室と同じものが揃っていますが、タオル類は客室から持参ください。

「金門坑」朝の散歩と朝食

 この宿には敷地内を一周できる散歩路があります。散歩の途中では、スタッフ全員と左官さんが3か月かけて積んだ延べ600Mの石垣や、美しく空に伸びた竹林、面白い形をした椅子たちなどに出会う事が出来ます。

 朝食はレストラン棟の半個室で頂きました。料理は一気出しではなく、一皿ずつ丁寧に配膳されます。白磁の皿に盛られた彩りが見事な地元野菜のサラダや、ミートソースをかけた茶そばなどが秀逸でした。

 スタッフの方には礼儀正しく、フレンドリーに接して頂きました。宿の名前の由来や、石積みの苦労話など、話題が豊富で心和む会話を楽しむ事が出来ました。また、敷地内ですれ違う時には、必ずにっこり笑って一声かけて下さり、気持ちの良い滞在になりました。

 クヌギの杜の小さな村に滞在し、温泉三昧の合間に料理長心尽くしの美食を堪能する、まさに至福の時があっという間に過ぎてしまいました。おこもり系のテラスハウスや、お子様やペットも泊まれる離れなど、幅広い方々に自信をもってお薦め出来る宿です。

「金門坑」の公式サイトはこちらから
ビデオ編集工房 宙

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